子供向けマウスピース矯正の効果・費用・期間などを徹底解説!

お子さんの歯並びや噛み合わせを整えるために、近年注目を集めている「マウスピース矯正」。ワイヤー矯正に比べて目立ちにくく、取り外しができる点が特徴です。しかし、「小児矯正にマウスピース矯正は本当に効果があるの?」「費用や治療期間はどのくらいかかるの?」といった疑問を抱える親御さんも多いのではないでしょうか。
本記事では、小児矯正におけるマウスピース矯正の特徴や効果、適した歯並びの例、さらに治療費用や期間について詳しく解説します。また、治療を成功させるために親御さんが気を付けるべきポイントや注意点についても触れています。お子さんに最適な矯正方法を選びたいと考えている方に向けて、わかりやすく丁寧に情報をお伝えします。
この記事を読めば、マウスピース矯正の魅力や注意点を正しく理解し、お子さんの笑顔と健康をサポートするための第一歩を踏み出せるでしょう。ぜひ最後までご覧ください!
目次
子供向けのマウスピース矯正とワイヤー矯正の違い
子供向けの矯正治療には、主に「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正」の2種類があります。それぞれに特徴があり、お子さんの歯並びの状態やライフスタイルに合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。
マウスピース矯正は、透明で取り外し可能な装置を使用する治療法です。この矯正方法は目立たず、装着中でもお子さんの見た目に影響を与えにくい点が特徴です。また、取り外しができるため食事や歯磨きがしやすく、口腔内を清潔に保ちやすいというメリットがあります。一方で、決められた装着時間を守る必要があり、自己管理が求められるため、小さなお子さんには親御さんのサポートが欠かせません。
一方、ワイヤー矯正は、歯にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を動かす伝統的な方法です。この方法は治療効果が高く、重度の歯並びの乱れや噛み合わせの問題にも対応できるのが大きな特徴です。ただし、装置が目立ちやすく、食事中の制限や歯磨きの難しさがデメリットとなります。また、固定式のため治療期間中は外せないことも特徴です。
これらの違いを理解した上で、お子さんの個性や生活習慣に合った矯正方法を選ぶことが重要です。マウスピース矯正とワイヤー矯正はそれぞれにメリットとデメリットがあるため、専門の歯科医師と相談しながら最適な治療法を検討しましょう。
子供向けのマウスピース矯正が適している歯並びの例
子供向けのマウスピース矯正は、特定の歯並びや噛み合わせの問題に対して効果的な治療法です。一般的に以下のようなケースで、マウスピース矯正が適しているとされています。これらの例に該当するかどうかは、歯科医師による診断が必要です。お子さんの歯並びや噛み合わせに気になる点があれば、早めに専門の矯正歯科を受診し、適切な治療法を相談することをおすすめします。
軽度から中程度の歯列不正
マウスピース矯正は、歯並びの乱れが比較的軽度な場合や、顎の成長が進行中の子供に適しています。例えば、歯が少し重なっている「叢生(ガチャ歯)」や、わずかに前後にずれている場合に有効です。
出っ歯(上顎前突)
上の前歯が下の前歯よりも大きく突出している出っ歯の場合、マウスピース矯正を使って歯を後方に移動させ、噛み合わせを改善することができます。顎の成長を利用しながら調整することで、効率的な治療が可能です。
反対咬合(受け口)
下の前歯が上の前歯よりも前にある受け口のケースにも適応されることがあります。特に軽度の反対咬合では、マウスピースを使用して下顎の成長を制御しつつ、歯の位置を整えることが可能です。
指しゃぶりや舌癖による歯並びの乱れ
指しゃぶりや舌癖が原因で歯列が乱れている場合、マウスピース矯正は効果的な治療法の一つです。装置がこれらの癖を物理的に妨げるため、歯並びの改善とともに悪癖の矯正が期待できます。
子供向けのマウスピース矯正の効果
子供向けのマウスピース矯正には、さまざまな効果が期待でき、子どもの健やかな成長を支える役割を果たします。この治療法は、歯並びを整えるだけでなく、顎や口周りの機能を改善する多面的なメリットがあります。
顎骨の正しい発育を促せる
柔らかい食べ物の摂取が多い現代の食生活では、顎の発育が不十分になりやすく、歯並びが悪くなる原因となることがあります。しかし、マウスピースを使用することで、顎の骨格が適切に成長し、永久歯が正しい位置に生えるためのスペースが確保されます。これにより、歯列の乱れや噛み合わせの問題を未然に防ぐことが可能です。
指しゃぶりなどの悪癖を改善できる
マウスピース矯正には、「筋機能矯正装置」としての役割もあります。これにより、口周りの筋肉を鍛え、無意識に行われる指しゃぶりや口呼吸、舌で歯を押す癖といった悪習慣を改善します。これらの悪癖は、歯並びや顎の発育に悪影響を及ぼすため、早期に改善することで、健全な口腔環境を整えることができます。
顔のバランスが整う
マウスピース矯正は、顎や歯の位置を整えるだけでなく、顔全体の骨格バランスにも影響を与えます。顎が正しい形で成長することで、顔の左右非対称が緩和され、より整った見た目を実現します。この効果は、子どもの成長期に特に顕著であり、全体的な顔立ちの改善にもつながります。
口呼吸が鼻呼吸に変わる
口呼吸は、お口周りの筋肉が緩んでいることや、アレルギー性鼻炎などによる鼻詰まりが原因で引き起こされることが多いです。マウスピース矯正を行うことで、口の周りの筋肉が鍛えられ、口が閉じやすくなり、自然と鼻呼吸に移行しやすくなります。さらに、就寝中に口が開かないようにテープを使うなどの補助を行うことで、鼻呼吸への移行を効果的に促進できます。
虫歯になりにくい
マウスピース矯正には、虫歯予防効果も期待できます。マウスピース装着中にフッ素入り歯磨き粉を使用すると、フッ素が唾液で流されにくくなるため、虫歯を防ぐ効果が高まります。また、歯並びが改善されることで歯磨きがしやすくなり、磨き残しを減らすことができます。
子供向けのマウスピース矯正のデメリット
子供向けのマウスピース矯正には多くのメリットがある一方で、注意すべきデメリットも存在します。治療を開始する前に、これらの側面を十分に理解し、適切な対応を考えることが大切です。
1日20時間以上装着
まず、装着時間の厳守が必要という点です。マウスピース矯正は、装置を1日20時間以上装着することで効果を発揮します。しかし、子どもが長時間装着するのを嫌がったり、忘れてしまったりすると、治療が思うように進まない可能性があります。親御さんが装着状況を確認し、習慣化をサポートする必要があります。
紛失や破損のリスク
次に、装置の紛失や破損リスクが挙げられます。マウスピースは透明で軽量な素材で作られているため、紛失や破損しやすいという欠点があります。特に子どもは活発に動くため、学校や遊び場で装置を無くしてしまうケースが少なくありません。紛失や破損が頻発すると、追加費用がかかる可能性もあります。
適応できる歯並びの範囲が限定的
また、適応できる歯並びの範囲が限定的という点も考慮すべきです。マウスピース矯正は、軽度から中等度の不正咬合に適している一方で、複雑な歯列不正や骨格的な問題には対応が難しい場合があります。そのため、治療を始める前に歯科医師による詳細な診断を受け、適切な治療法を選択することが重要です。
子どもの協力が必要不可欠
さらに、子どもの協力が必要不可欠という側面もあります。マウスピース矯正は、装置の取り外しが可能なため、子ども自身が正しく装着し続ける意識を持つ必要があります。しかし、子どもによっては自己管理が難しい場合があり、親御さんのサポートが欠かせません。
子供向けのマウスピース矯正の種類
子供向けのマウスピース矯正には、目的や症状に応じて選べるさまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解し、お子さんに適したものを選ぶことが重要です。以下では、代表的な種類について詳しく説明します。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、乳歯と永久歯が混在している時期に適したマウスピース矯正装置です。この装置は透明で目立ちにくく、装着に対する抵抗感が少ないのが特徴です。1日20時間の装着が必要で、顎の成長をサポートしながら歯並びを整えることができます。また、取り外しが可能なため、食事や歯磨きの際に便利です。
T4K
T4Kは、生え代わり時期の歯を適切な位置に誘導する装置で、お口周りの筋肉を鍛えながら舌の癖や口呼吸を改善します。日中1~2時間の装着と就寝時の装着が推奨されており、子供の口腔機能の向上にも役立ちます。
プレオルソ
プレオルソは、10歳頃までの子供を対象とした装置で、舌を突き出す癖や口呼吸を改善しながら、顎の成長をサポートします。日中1~2時間と就寝時の装着が必要で、歯並びと口腔環境の改善に効果的です。
マイオブレース
マイオブレースは、お口周りの筋肉を鍛えることで顎の成長を促す装置です。トレーナーと呼ばれるマウスピース型の装置を使用し、日中1~2時間と就寝時に装着します。この装置は、矯正治療を進めながら、全体的な口腔機能の改善も期待できます。
ムーシールド
ムーシールドは、3~5歳頃から使用可能な装置で、特に受け口の改善に効果的です。この装置は、舌の位置やお口周りの筋肉の働きを正し、正常な噛み合わせを促します。就寝時に装着することで、日中の負担を軽減しつつ矯正を進められます。
子供向けのマウスピース矯正の費用
子供向けのマウスピース矯正の費用は、治療の時期や治療内容によって異なります。一般的には、以下のような費用の目安が設定されています。ただし、治療費は歯科医院や地域によって異なる場合があります。
また、治療を同じ歯科医院で行うことで、総費用が抑えられるプランを提供している医院もあります。費用の詳細については、事前に歯科医院で相談し、治療計画と見積もりを確認することが重要です。
0期治療(3~5歳頃)
0期治療は、3~5歳頃の乳歯の段階で始める治療で、費用は3万円~10万円程度が一般的です。この時期の治療は、あごの成長を促進したり、悪癖を改善したりすることを目的としています。比較的短期間で終了するため、費用も他の治療段階に比べて低めです。
1期治療(6~12歳頃)
1期治療は、乳歯と永久歯が混在している時期に行われる治療で、費用は20万円~30万円程度が目安です。この治療では、あごの成長をサポートし、歯が正しい位置に並ぶためのスペースを確保します。治療内容によっては、1期治療だけで矯正が完了するケースもあり、その場合、トータルコストを大幅に抑えることが可能です。
2期治療(永久歯が生え揃った後)
2期治療は、12歳以降の永久歯が生え揃った時期に行われる治療で、費用は30万円~100万円程度と幅があります。この段階では、主に歯列全体の調整や噛み合わせの改善を目的としています。1期治療を行っていた場合、その成果を引き継ぐ形で治療が進むため、2期治療の費用が割引されるケースもあります。
子供向けのマウスピース矯正の期間
子供向けのマウスピース矯正の期間は、治療を開始する時期やお子さんの歯並び、あごの成長状況によって大きく異なります。また、治療が1期治療で完了するか、それとも2期治療が必要になるかは、治療中の経過を見ながら判断されることが一般的です。
以下は治療時期ごとの目安となる期間です。
0期治療(3~5歳頃)
期間の目安:1~2年程度
0期治療は、乳歯列期に行われる早期治療で、主にあごの成長をサポートし、歯並びが整いやすい環境を作ることを目的としています。この治療は比較的短期間で終了するケースが多いですが、お子さんの成長具合によっては追加の治療が必要になることもあります。
1期治療(6~12歳頃)
期間の目安:10か月~3年程度
1期治療は、乳歯と永久歯が混在する時期に行われ、あごの骨格を整えることで、永久歯が正しい位置に生えるスペースを確保します。この治療は、お子さんの成長スピードや歯の生え変わり状況によって期間が変動します。1期治療だけで十分な成果が得られる場合もあり、その際は2期治療が不要となることがあります。
2期治療(永久歯が生え揃った後)
期間の目安:1~3年程度
2期治療は、永久歯が生え揃った12歳以降に行われ、歯並びや噛み合わせの最終調整を目的とします。この時期の治療は、骨格がほぼ完成しているため、1期治療と比べて調整に時間がかかることが一般的です。
治療期間に影響する要因
- 歯並びの複雑さ:歯列不正が重度の場合、治療期間が延びることがあります。
- 矯正装置の種類:装置によって治療スピードや装着時間のルールが異なります。
- お子さんの協力度:マウスピースを規定の時間装着しない場合、治療期間が長引く可能性があります。
治療期間を最小限に抑えるためには、歯科医師の指示に従い、装置の使用方法や日常生活での注意点を守ることが重要です。治療をスムーズに進めるためにも、定期的に歯科医院を訪れ、進捗状況を確認することを忘れないようにしましょう。
マウスピース矯正がおすすめの子供や親御さんのサポートの重要性について
子供向けのマウスピース矯正を成功させるためには、お子さんだけでなく親御さんの協力も重要です。マウスピース矯正にはいくつか注意すべき点があり、それをしっかりと守ることで、治療効果を最大限に引き出すことができます。ここでは、親御さんがサポートする上で重要なポイントを解説します。
装着時間を厳守する
マウスピース矯正では、装置を正しい時間装着することが治療効果を左右します。一般的に、子供向けのマウスピース矯正では日中や就寝中にも装着することが推奨されています。装着時間が不足すると、治療が長引く原因になります。親御さんが装着時間を管理し、日々の生活スケジュールの中で確実に装着するようサポートすることが大切です。
毎日のお手入れを怠らない
マウスピースは常にお口の中に入れるため、衛生管理が重要です。使用後は水洗いや専用のクリーナーを使い清潔に保つようにしましょう。また、紛失を防ぐため、使用しないときは専用ケースに入れて保管する習慣をつけると良いでしょう。お子さんが自分でお手入れする場合でも、親御さんが定期的に確認し、サポートを行うことをおすすめします。
破損や変形しないようにする
マウスピースは柔らかいプラスチック素材で作られているため、強い力が加わると破損や変形のリスクがあります。特に、装着中にマウスピースを噛む癖がついてしまうと破損の原因になりますので、親御さんが使用状況を観察し、適切に指導してください。また、乱暴な取り扱いは避け、丁寧に扱うよう習慣づけることも大切です。
MFT(口腔筋機能療法)を毎日行う
マウスピース矯正では、口腔周囲筋を鍛えるためにMFT(口腔筋機能療法)を併用することがあります。これは、舌の位置や口周りの筋肉の使い方を正すトレーニングで、矯正効果を高めるために欠かせません。毎日少しずつ継続して行う必要があるため、親御さんも一緒に取り組む姿勢が大切です。トレーニングを怠ると治療効果が十分に得られないことがあるため、楽しみながら習慣化する工夫をしてみてください。
マウスピース矯正後の保定装置とメンテナンス
マウスピース矯正が終了した後も、矯正した歯並びを安定させるためには「保定装置(リテーナー)」を使用し、適切にメンテナンスを行うことが必要です。治療が終わったからといって放置すると、歯が元の位置に戻ってしまう「後戻り」が起こるリスクがあるため、矯正後のケアが非常に重要になります。
保定装置は、矯正治療で動かした歯を新しい位置に安定させる役割を果たします。歯は周囲の骨や組織が完全に固まるまで動きやすい状態にあるため、矯正直後は特に後戻りしやすくなります。この期間にリテーナーを適切に使用することで、矯正治療で得られた成果をしっかりと維持できます。
まとめ
子供向けのマウスピース矯正は、歯並びを整えるだけでなく、顎の成長をサポートし、健康的な口腔環境を育むための効果的な治療法です。ワイヤー矯正と比較して目立ちにくく、取り外しができるなどの特徴があるため、多くの親御さんから選ばれています。本記事では、マウスピース矯正の効果やデメリット、種類、費用、治療期間、そして親御さんのサポートの重要性について詳しく解説しました。
特に、装着時間を守ることや毎日のお手入れを怠らないこと、適切な保定装置の使用とメンテナンスが治療成功の鍵となります。また、MFT(口腔筋機能療法)などを併用することで、矯正効果をさらに高めることが可能です。
お子さんの歯並びに気になる点がある場合は、早めに専門の歯科医師に相談し、最適な治療方法を見つけましょう。この記事を通じて、マウスピース矯正についての理解が深まり、お子さんの将来の健康と笑顔につながる選択をサポートできれば幸いです。