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矯正歯科
公開:2025.01.17
更新:2025.01.17

小児矯正と医療費控除|対象費用から申請方法まで完全解説

小児矯正と医療費控除|対象費用から申請方法まで完全解説

小児矯正はお子さんの歯並びや噛み合わせを整えるために重要な治療ですが、その費用が家計に与える影響を心配される親御さんも多いのではないでしょうか。実は、小児矯正にかかる費用の一部は医療費控除の対象になる場合があります。これを活用することで、治療にかかる実質的な負担を軽減することが可能です。

この記事では、小児矯正が医療費控除の対象となる条件や、控除を受けるための具体的な手続きについて詳しく解説します。必要な書類や確定申告のポイントもわかりやすくお伝えし、矯正治療を進めるうえでの不安を解消します。お子さんの成長と笑顔をサポートするために、医療費控除を賢く利用しましょう。

医療費控除とは

医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計額が一定の基準を超えた場合、その超えた分を所得から差し引くことができる制度です。この制度を利用することで、結果的に所得税や住民税が軽減され、医療費負担を実質的に減らすことができます。

具体的には、年間の医療費が10万円または所得の5%を超えた場合に適用されます。控除の対象となるのは、治療に直接かかわる費用や医師の指示で購入した医薬品、さらには通院のための交通費などです。たとえば、小児矯正治療も、治療を目的としたものであれば医療費控除の対象になる可能性があります。

ただし、美容目的や見た目の改善のみを目的とした矯正治療は対象外となることがあります。そのため、治療が医療費控除の条件を満たしているかどうかを確認することが重要です。医療費控除を受ける際には、治療費の領収書や必要書類をきちんと保管しておくことを忘れないようにしましょう。

小児矯正は医療費控除の対象になりやすい

小児矯正は、多くの場合、医療費控除の対象となる治療です。お子さんに矯正治療を受けさせた場合、矯正方法にかかわらず、矯正にかかった費用(治療費や交通費など)が控除の対象になるケースがほとんどです。

ただし、注意が必要なのは、治療の目的です。見た目を美しくすることだけを目的とした矯正治療は医療費控除の対象外となります。一方で、噛み合わせの改善や歯並びの矯正といった機能面の改善を目的とした治療であれば、対象となる可能性が高いです。

実際、子どもの矯正は歯並びだけでなく、咀嚼機能や発音の改善などを目的とすることが多いため、医療費控除の要件を満たすケースがほとんどです。

小児矯正で医療費控除の対象となる医療費

小児矯正において、医療費控除の対象となる費用は、矯正治療そのものにかかる費用だけでなく、治療に関連したさまざまな費用が含まれます。具体的には以下のような費用が対象となります。

矯正治療費

矯正装置や治療にかかる費用が含まれます。これには、診断料、装置代、調整料、保定装置費用など、治療を進めるために必要なすべての費用が該当します。治療の目的が機能改善である場合、見た目の改善を含んでいても対象となります。

初診料や精密検査費用

矯正治療を始める前に必要な診察費や精密検査費用も医療費控除の対象です。例えば、レントゲン撮影や模型の作成など、治療計画を立てるために必要な検査にかかった費用が含まれます。

通院のための交通費

矯正治療で歯科医院に通院する際にかかった交通費も対象となります。公共交通機関を利用した場合の運賃や、車で通院した場合のガソリン代や高速料金などが該当します。ただし、タクシーの利用は原則対象外ですが、公共交通機関の利用が困難な場合は例外的に認められることがあります。

医師の指示による医薬品の費用

矯正治療に関連して処方された薬(鎮痛薬や抗生物質など)の費用も控除対象となります。購入時には領収書を保管しておくことが大切です。

治療のための入院費用(該当する場合)

矯正治療が外科手術を伴う場合、そのための入院費用も控除の対象となります。たとえば、顎変形症の治療を伴う場合がこれに該当します。

小児矯正で医療費控除の対象外となる医療費

小児矯正において医療費控除の対象となる費用がある一方で、対象外となる費用も存在します。医療費控除を申請する際は、対象外となる費用を正確に理解し、申請時のミスを防ぐことが重要です。以下に、控除の対象外となる代表的な費用をご紹介します。

見た目の改善を目的とした矯正費用

矯正治療が機能面の改善ではなく、純粋に見た目の改善だけを目的としている場合、その費用は医療費控除の対象外となります。たとえば、歯並びを整えることが健康や機能に直接関係しない場合は、医療費控除の要件を満たさない可能性があります。

通院時の飲食代

矯正治療のために通院した際の飲食代やおやつ代などは、医療目的の費用と見なされないため、控除対象外です。通院が長時間に及ぶ場合でも、これらの費用は申請に含めないよう注意が必要です。

保護者の交通費

お子さんが通院する際に、保護者が同行する場合の交通費は原則として対象外です。ただし、特別な事情で必要と認められる場合には例外的に対象となるケースもありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

タクシー代(特別な事情がない場合)

公共交通機関を利用できる状況にもかかわらず、タクシーを利用した場合の費用は、原則として対象外です。ただし、公共交通機関が利用できない特殊な状況下では、例外的に認められるケースもあります。

医療費控除額の申請方法

医療費控除を申請することで、小児矯正にかかる費用の一部が還付金として戻ってくる可能性があります。以下では、申請の手順とポイントをわかりやすく解説します。

必要書類の準備

医療費控除を申請するためには、以下の書類を事前に準備しておく必要があります。

  • 医療費の領収書:矯正治療にかかったすべての費用の領収書を保管してください。
  • 医療費控除の明細書:申請に必要な医療費の内訳を記載します(国税庁のホームページからダウンロード可能)。
  • 通院交通費の記録:公共交通機関の利用記録や車の場合の走行距離の記録など。
  • 源泉徴収票:会社員の場合、勤務先から提供される年末調整後の書類。
  • 確定申告書:税務署や国税庁のサイトからダウンロード可能です。

書類は、正確かつ漏れがないように整理しておくことが大切です。

準備した書類の提出

医療費控除は、確定申告の際に申請します。手続きは以下のどちらかの方法で行います。

  • e-Taxを利用する:インターネットから簡単に確定申告ができる便利な方法です。必要書類を電子データとして提出します。
  • 税務署に直接提出する:書類を印刷し、記入済みの確定申告書とともに税務署に提出します。

通常、確定申告は翌年の2月16日から3月15日までですが、還付申告については通常翌年の1月1日から3月15日までです。

還付金の確認

申請後、税務署での審査が完了すると、指定した口座に還付金が振り込まれます。還付までの期間は約1~2か月が目安ですが、申請時期や申告内容によって異なる場合があります。還付金が振り込まれる前に、内容確認のため税務署から連絡が来る場合もあるため、申請後もしっかりと記録を保管しておきましょう。

過去5年前に遡ることができる

医療費控除は、過去5年分の医療費について遡って申請することが可能です。たとえば、申請を忘れていた場合や過去にさかのぼって控除を受けたい場合は、領収書や記録を確認し、該当する年度分の申請を行うことができます。この制度を利用することで、過去の矯正治療費についても還付を受けられる可能性があります。

ただし、年度ごとの申請になるため、すべての年度をまとめた金額を申請することはできません。例えば、令和4年と令和5年を合算して申請はできず、年度ごとの合計金額をそれぞれ申請します。

医療費控除額の算定方法

医療費控除額は、以下の計算式で算出されます。

医療費控除額 = 実際に支払った医療費 – 保険金等で補填される金額 – 10万円または所得金額の5%(いずれか少ない方)

所得が300万円の場合

  • 実際に支払った医療費:60万円
  • 保険金等で補填される金額:0円
  • 所得金額の5%:15万円(10万円より大きいのでこちらを採用)
  • 医療費控除額 = 60万円 – 0円 – 15万円 = 45万円

この場合、45万円が所得控除の対象となります。

所得が500万円の場合

  • 実際に支払った医療費:40万円
  • 保険金等で補填される金額:5万円
  • 所得金額の5%:25万円(10万円より大きいのでこちらを採用)
  • 医療費控除額 = 40万円 – 5万円 – 25万円 = 10万円

この場合、10万円が所得控除の対象となります。

注意点

医療保険や共済金で補填された金額は控除額から差し引かれるため、注意が必要です。補填される金額を事前に確認しておきましょう。

また、医療費控除額の上限は200万円です。これを超える医療費については控除の対象になりません。

まとめ

小児矯正はお子さんの健康な成長をサポートするために重要な治療ですが、その費用が家計に与える影響を懸念する親御さんも多いでしょう。この記事では、小児矯正にかかる費用が医療費控除の対象となる条件や具体的な申請方法、控除額の算定方法について詳しく解説しました。

医療費控除を活用することで、矯正治療にかかる費用の一部を所得税や住民税の軽減という形で還付を受けられます。特に、治療目的が機能改善である場合は、矯正費用のほとんどが対象となるため、制度をうまく利用することで家計の負担を大幅に軽減できる可能性があります。

また、対象となる費用だけでなく、対象外となる費用についても正確に把握し、適切な申請を行うことが重要です。申請には、必要書類の準備や提出手続きが欠かせませんが、過去5年分に遡って申請することも可能ですので、これまで申請を忘れていた方も制度を活用するチャンスがあります。

医療費控除を活用することで、矯正治療にかかる実質的な費用を抑え、お子さんに最適な治療を提供することができます。この制度を賢く利用し、安心して治療を進めるために、記事を参考に手続きや計算を進めてみてください。お子さんの健康と笑顔を支える一助となれば幸いです。

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